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実家の不動産運用、どんな点に注意して制度を利用する?

この記事の監修

流山・空き家を生まないプロジェクト

「流山・空き家を生まないプロジェクト」は、千葉県流山市を拠点に、空き家の発生を未然に防ぐための啓発活動や地域連携を行う団体です。住まいや不動産に関する情報提供を通じて、空き家問題の根本的な解決を目指しています。地域の専門家や行政とも連携し、流山市の安心・安全なまちづくりに貢献しています。 詳しくは 公式サイト をご覧ください。

ここは動物たちが暮らす「にゃんがれやま市」。にゃんママが経営する「にゃんカフェ」では、とら吉さんが実家の活用方法を相談しています。

今回は、前回に続いて、アルさんとさーちゃんから家族信託や生前贈与を利用する時に気を付けたことや、利用する制度を決めるきっかけになったことを聞いています。

実家の運用は相続も視野に入れる

とら吉:実家は売ることしか考えてなかったけど、生前贈与で早めにもらったり、家族信託で運用する方法があるんだね。両親の認知症対策にもなるし!ところで、注意点があるって言ってたけど、2人はどんなことに注意したの?

さーちゃん:うーん、人によって違うと思うけど、相続を意識する人多いかな?

アルさん:そうね。色々な意味でトラブりたくないし!

とら吉:色々な意味?あ、よく言われる「争族」ってやつ?家族の仲が良ければ大丈夫でしょ?

にゃんママ:仲がいいから大丈夫、がトラップなのよ。

アルさん:ふたを開けてみたら…、みたいな話も多いし、私が使っている家族信託は相続が特殊なのよね。

家族信託で相続が起きると契約はどうなる?

家族信託の契約中に相続が発生すると、契約終了の条件が契約に明記されていない場合は、次のように役割を引き継ぎます。

もし、相続で委託者や受託者が変わり、受益者に不満を持つような関係性であった場合、制度開始時の委託者の意図とズレてしまう可能性があります。このようなトラブル回避には、誰がどの役割を引き継ぐか契約で指定したり、委託者や受益者、受託者が亡くなった場合は契約を終了するといった対策が有効です。ただし、役割の引継ぎには税制や法律が関わるため、専門家に相談するのが確実です。

家族信託に必要なものとは?

アルさん:トラブルを避けたいから、できるだけ細かい点も契約書に書いておいたの。プロに相談しつつ、両親や兄弟ともしっかり話したわよ。

とら吉:家族なのに?トラブル回避って言っても、そんなに堅苦しくしなくてもいいんじゃない?

アルさん:相続でもめた人の話も聞くし、マンション運営の契約でも使うのよ。

とら吉:運営でも?

アルさん:そう。私が管理しているって証明しなきゃいけないでしょ?例えば、管理会社さんとか、改修工事するときとか。それに、不動産売却する場合には、売却も任されているって証明も必要だし。

とら吉:そうか、契約相手に証明が必要なんだね。

アルさん:そう。だから、公正証書で作ったわ。

とら吉:準備が大変そうだね。契約書以外に必要なものってある?

アルさん:あとは、家族信託で使う銀行口座ね。私の口座とは分けておかないといけないから、専用の口座を作るの。それと、信託財産の登記

とら吉:めんどくさい!!

アルさん:手続きにお金もかかるしね。親のマンションを親のために経営するんだから、自由にやらせてって思うわ。でも、その「親のために」っていうことを確認するのが大変なんでしょうね。

にゃんママ:子どもが勝手に売却して蒸発…なんてことになったら大変だものね!

とら吉:家族信託って、家庭内で気軽にできるものだと思っていたけど、大変なんだね。そんなに手間をかけて家族信託にしたのはなぜ?

アルさん:自分の資産と両親の資産をきっちり分けたかったの。両親のサポートはしたいけど、資産の区別が曖昧になると、将来トラブりそうで…。これなら公的にもクリアでしょ?

生前贈与の注意点はある?

とら吉:ところで、生前贈与は?もらうだけだから、特に問題ない?

さーちゃん:まぁ、自由に使うっていう意味なら問題ないよ。相続人が何人もいるなら、将来もめないように対策を考える必要もあるだろうけど、私、一人っ子だし。どちらかというと、「相続でもらえるものを手間とお金をかけて先にもらう意味があるか?」っていう感じかなー?

とら吉:手間とお金がかかる?

さーちゃん:そう。名義変更の手間とか、納税の手間とかねー。税金をどう払うか考えたりとか…。

にゃんママ:同じ金額なら贈与税より相続税の方が税率が低いのよね。自宅の相続だと特例もあったわよね?

さーちゃん:そうなの。相続時精算課税制度にしたから、少しは出費を抑えられたよ。

生前贈与と相続の税金の違い

例えば、5,000万円の評価額の自宅を受け取った場合、贈与税の税率は55%ですが、相続税は20%です。贈与税と相続税では納税額の計算方法が異なりますので、税率だけで相続税の方が負担が少ないとはいいきれません。しかし、評価額が高額な不動産の場合は、納税額の差が大きくなる傾向があります。

また、自宅を相続した場合、条件によっては次のような特例を利用できます。

・不動産取得税が非課税(相続時精算課税制度を利用する場合は課税される)

・一定の土地評価額を下げ、納税額を少なくできる(小規模宅地等の特例)

両親や祖父母から贈与を受けた場合は、相続時に贈与分の税金もまとめて相続税を納める「相続時精算課税制度」を利用することもできます。

この方法を使えば相続税の税率で納税額を計算しますが、税金の計算は複雑です。どの方法を選択するとメリットが大きいのかは、税理士に相談するのが確実です。

参考サイト:
国税庁:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁:No.4155 相続税の税率
国税庁:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
国税庁:No.4103 相続時精算課税の選択

実家が空き家になるリスクも考える

とら吉:じゃぁ、なんで生前贈与にしたの?

さーちゃん:実家を使って稼ぎたくなったから!それに、家の掃除も面倒だしね。

とら吉:どいうこと?

さーちゃん:私が実家の手入れをしていたんだけど、定期的に掃除するのも手間がかかるんだよ。実家は戸建てだし、ファミリー層に貸せるんじゃないかって思って。貸し出せば、私が掃除しなくてもいいし、お金も入るし、一石二鳥じゃない?

にゃんママ:うまくいった?

さーちゃん:うん。リフォームしたら、すぐ入居者見つかったよ!家の手入れの手間を省けたし、家賃収入をGET!

とら吉:住んでいる人がいないと、家の傷みが早いっていうしね。

さーちゃん:そうなんだよー。管理ができていないと、ご近所さんに迷惑かけるし、最近じゃ最悪罰金かかるしね。

とら吉:罰金!?

さーちゃん:空き家を放置するとね。でも、親の名義だと、リフォームとか賃貸とか、親が契約しないとできないからさ。自由に契約できるように生前贈与にしたんだ。

とら吉:そうか、さーちゃんが活用するなら、名義をさーちゃんにした方がやりやすいんだ。

さーちゃん:そうなの。

活用方法は目的に合わせて選択を

にゃんママ:それで、とら吉さん。何かヒントになった?

とら吉:うーん、うちの場合は親の介護費用目的だから、親にお金が入るようにしたいな。かといって、僕が運用して賃貸に出すっていうのもなぁ…。手間と出費を考えると厳しいかも。結局、売ることになりそう。せっかくお話してくれたのに、ごめんね。

さーちゃん:謝らないでよー、とら吉さんが決めることでしょ?

アルさん:そうよ、参考になったら嬉しいわ。

にゃんママ:家族ごとにベストな方法が違うから、情報を入れることが大事だし!そういえば、ご両親とは話し合ったんだっけ?

とら吉:あ、これからだった!

にゃんママ:それが一番最初でしょ!

※本記事で紹介している制度は2026年2月時点のものです。税制は変更される可能性があります。

※記事の内容には、一定の条件下における執筆者の見解が含まれています。実際に活用する際には、利用できる制度のメリットや注意点を弁護士や税理士などの専門家とご相談の上、ご判断ください。

執筆者 FPサテライト株式会社 黒川一美

<利用上の注意>
本コンテンツは、配信日(2025年4月7日)時点の情報をベースにしています。本コンテンツは、行政との提携や専門家による内容についてのレビューを受けたものではありません。ご自身の判断により、参考情報としてご利用ください。

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